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どくだみと生きる

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今日は なでなの入口前の庭に群れて咲くどくだみを草取りしていました。

庭一面に広がったどくだみ達を少しずつ土を解しながら 引っこ抜いていく。

 

よく晴れた今日は 時折吹く風が首筋を撫でて 心地よかったです。

 

草取りをしながら考えていたことは  岩の下に潜り込んだ どくだみの根は 人の手の及ばぬ命なんだなーということ。

 

私たち人間は つい楽な方へと除草剤を使ったり、思い通りにならないもどかしさを感じたりするけれど、そもそも自然の生き物を意のままにしようという事自体に無理がある。

科学薬品を使わずに 人間の手で刈り取る草には「穴」がある。

土の中に張り巡らされた無数のどくだみの根っこ。

結局 私は表面のどくだみと少しの根っこを取り除いただけだったけれど、それで十分だと思った。

 

世界には 見えている世界と 見えていない世界とがあり それらはいつもワンセット。

見えている世界ばかりに意識が向いていると 根っこがあることを忘れてしまいがち、でぺらぺらと薄っぺらい思考になっていくような気がする。

 

梅雨明けの頃には 土の中に残された根から新しい芽が芽吹くだろう。

そうして 何度も草取りを繰り返し 辛抱強さ、コツコツと積み重ねる時間の大切さを教わるのだと思う。

 

植物は思い通りに育ってくれない。

自然は 力強く根をはる雑草と呼ばれる草も 繊細な草花も 分け隔てなく共に同じように生かす。

 

人間の都合で それらをコントロールしようとすると必ずどこかに歪みが生まれ 本当の美しいものに出会うチャンスを逃す。

 

自然は自分たちの役割を知っている。

だから ただ淡々と今の命を全うし、次の世代に繋げようと懸命になっている。

 

人の手の及ばない コントロール不可能なことを受け入れると 思いもかけない素晴らしい時間を与えられたりする。

 

 

草取りも終盤に近づいた頃 いつもお世話になっているお客様から おいしい果物をお裾分けいただいた。

予想どおりは つまらない。

見えない どくだみの根っこがあるからこそ またいつか 真っ白な花を咲かせてくれるんだ。

 

そんなことを思っていると 風が抜けていく。

 

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